英語のニュース情報ソースにチャレンジしようと考えた時、一体どれを購読すればよいかと迷うと思います。何をポイントにすればよいでしょうか?
自分のニーズ、購読料、アプリの使いやすさで決める
英語のニュース情報ソースを選ぶ時、①自分が本心から読みたいと思う正直なニーズ、②購読料、③スマホアプリの使いやすさ、の3点で私は決めています。
NHK World、BBC、Voice of America など公共放送や国営放送のニュースであれば無料なので、これらだけで済ませるのも全然ありだと思います。いろいろな話題を比較的短く端的にまとめた記事を提供しているので利用しやすいです。また、ラジオ番組を無料で提供しているので、これも役立ちます。
以下が3媒体の比較表です。
NHK World
1つのアプリで多言語に対応しているのが特徴です。しかもニュース記事だけでなく、音声サービスも設定した言語に対応しています。語学学習に都合がよいです。いろいろな言語に対応していて、英語、中国語、スペイン語、ポルトガル語に対応しているので、私的には使い勝手がよいです。その他、日本の近隣諸国の大抵の言語には対応していて、話者数が少ない言語ではミャンマーで話されているビルマ語にも対応しています。
音声サービスはトランスクリプションがありませんので、リスニング教材として使うには難があります。聞き取れる言語でニュースの背景を把握しておいて、能力開発中の言語がどれぐらい力がついてきたか力試しに聞いてみるのによいです。映像サービスもありますが、選択した言語の音声はなく、代わりに字幕がつきます。
記事の内容は定時のNHKニュースで流しているような一般的なものです。日本ローカルの話題が多いです。調査報道のような深堀した記事もありません。したがって、科学関係の記事も少ないです。深堀した内容はやはり購読料を払ってそれなりの情報源で補う必要があります。一方、災害情報は力を入れていて、おそらく地震や台風などの災害が多い日本に在住している外国人の人には非常にありがたい存在なのではないかと思います。警報発令があると通知してくれる機能があるので、もちろん日本人にとっても役立ちます。
私は、中国語のオンデマンドサービスで日本語学習コンテンツを毎朝聴いています。外国人の方にとっては、日本語の敬語が摩訶不思議なのでしょう。友達同士の会話から普通のですます調の丁寧語、それから尊敬語・謙譲語と3パターンの表現を紹介しています。
BBC
PC版のサイトは多言語に対応していますが、スマホアプリの方は対応していません。英語のみです。さすがBBCで、世界各地のニュースに触れることができます。分野もいろいろな分野のニュースを読むことができます。科学技術関係の記事も他の無料メディアよりも充実していると思います。大抵の無料メディアは内容が事件、スポーツ、政治、経済といっても平均株価や為替などのマクロ情勢辺りまでなので、科学技術関係を取り上げているという点で貴重な存在だと思います。
音声サービスも充実していて、BBC Soundsというアプリでラジオ放送のオンデマンド配信をしています。例えば私の場合、BBCのラジオ番組で CrowdScience, The Official Chart on Radio1, Business Matters の3つがお気に入りでよくチェックしています。科学モノの続きで紹介すると、CrowdScience は日常生活の中でリスナーが見つけた疑問に、番組スタッフが答える形式の調査報道番組です。この番組でfasting、つまり断食すると体によいということを始めて知り、断食に興味を持つきっかけになりました。
Business Matters は文字通り、ビジネス関連のトピックを扱う番組です。イギリス、アメリカ、オセアニア、アジアからのゲストがその日の出来事について議論する趣向です。それぞれのご当地訛りが聞ける嬉しいコンテンツです。
このBBC Soundsというアプリはオンデマンドの番組を見つけるのにちょっと苦労します。番組の名前を知っていると、検索機能で一発に見つけられますが、同じジャンルの中でもあまりにたくさんの番組があるので、どれがよいのは迷ってしまいます。例えば、科学技術関係だけでもざっと数十に上る番組があります。番組タイトルだけ見てもなかなか本当に聞きたい番組なのかにわかには分かりません。裏を返せば、それだけコンテンツが充実しているということです。
Voice of America
一言でいうこと、アメリカ人はアメリカにしか興味がないのかな、と思ってしまいます。世界情勢はアメリカが絡まないことは少ないので、確かに世界のニュースだと言えなくはないのですが、名前が示す通り結局はアメリカの声です。ここが同じ国営放送でも BBC と違うところだと思います。BBCの場合はイギリスが絡まないようなその国の出来事なども取り上げます。例えば、日本のマクドナルドでフライドポテトが手に入りづらくなっているという話などです。
記事の内容は事件と政治です。それ以外ですと、SILICON VALLEY & TECHNOLOGY というセクションが特徴的です。GAFA などのテック・ジャイアントの動静などを押さえるのによいでしょう。
スマホアプリは多言語対応していますが、それぞれの言語用のアプリをダウンロードして使用する必要があります。中国語版はアプリストアで「美国之声」で検索すれば出てきます。いくつもアプリをインストールすると、すぐにスマホの内部メモリがいっぱいになってしまうので、何とかできないものかと思います。
やはり自分のニーズに合わせましょう
新聞を購読する時もそうですが、英語ニュースの情報ソースを選ぶ場合、他の人が知っていることを自分も知りたいから見たり聞いたりする、というのは若いうちは好き嫌いなく学ぶということではよいかもしれません。しかし、ある程度一般知識的なところが身に付いたら、自分の関心事にフォーカスするのがよいと思います。「悪いストレスとおさらばできる『自己肯定感の教科書』」の回をご覧ください。自分と他人を比較すると自己肯定感が損なわれますので、精神衛生上もよくありません。自分に正直になって、本当に自分のニーズに適ったものを選ぶ方が興味が持てて、モチベーションを保ちやすいです。「習うより慣れよ」という習慣の力を味方にすることにもつながります。
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