50代からの HSK 5級受験体験記

中国語の勉強 語学

4級に合格してから11か月かかりましたが、ここまでは到達したいと思っていた HSK 5級を受験して、目安となる 180 / 300点を超えて、237点と8割弱取ることができました。どのような勉強をしてきたかお伝えしますので、少なくとも他山の石にでもしてください。

語学は独学が難しいと悟り教室に通い始める

中国語だけでなく、他の言語もそうですが、会話できてなんぼというところがあります。スパーリングパートナーおらず、シャドーボクシングだけをやっていても埒が明かないと悟って、週1回会話教室に通い始めたのが2年前でした。その後、1年後に HSK 4級、2年後に 5級まで到達できました。

それまでは、音声教材を使って独学していました。何度も聞いていると、聞き取れるようにはなるのですが、所詮は同じ文章を聞いているので、「その文章は分かる」という状態になっていました。シャドーイングもそれなりに「その文章」には付いていけました。しかし結局それは独りよがりでしかありませんでした。

特に中国語は発音が大切です。他の言語には見られない声調もあります。つまり、音としてのアウトプットの訓練と発音の悪い点を指摘してもらえる適切な指導が足りなかったのだと思います。教室に通い出してから、家で教科書の音読練習していると、嫁からも「中国語らしくなった」と言ってもらえるようになりました。

それから、作文をしても、添削してくれる先生がいないと、これも独りよがりになってしまいます。スピーキングとライティングのアウトプット2技能を高めるには、どうしても生身の先生の指導が必要だと実感しました。週1回の教室通いでも、受けた指導を頭に叩き込んで1週間練習していると、身につくものなのですね。週1回程度だと、金をドブに捨てるようなものだと思い込んでいましたが、そうではありませんでした。教材として「中国語の口語表現なら『汉语口语速成』シリーズ」の回で紹介した『汉语口语速成 提高篇』を使いました。

私は教室に通っていますが、たとえオンライン教室であっても、スピーキングとライティングのアウトプット2技能について、しっかりと指導してもらえるのでしたら、問題ないと思います。

リスニング対策は『合格奪取! 新HSK』シリーズ

リスニングは今も得意ではありません。今回の HSK 5 級試験成績は 7 割の出来なので、まだまだ大したことはありません。ですので、この勉強法が正解とまでは言い切れませんが、試験形式に慣れるという意味では『合格奪取!新HSK』シリーズの本が役立ちました。このシリーズは電子書籍が選べます。ですので、迷わず電子書籍を選び、通勤の際に活用しました。

『合格奪取!新HSK』

スマホで見ると、文字が小さいので、横置きで表示するか、タブレットを使うことをお勧めします。著者の盧尤さんの趣向だと思いますが、本番より少し捻った問題が多いので、鍛えられます。

1日の勉強分量が決まっていて、単語音読トレーニング⇒フレーズ音読トレーニング⇒単語書き取りトレーニング⇒リスニング問題実践練習 という4つのパートをこなします。この分量が25日分収められていますので、1か月程度で終えると思ったら大間違いです。

一巡目は1日ではこなせません。知らない単語がたくさん出てきて、それらを調べたりしていると、時間がかかってしまいます。一巡目は分からない単語をなくすことに専念しました。私の場合は英語、ブラジル・ポルトガル語、スペイン語も勉強しているので、知らない単語に出くわすと、それぞれの言語で相当する表現を調べていました。そして、それらの単語を『いろいろ悩んだ末の私の単語帳』の回で紹介した単語帳にまとめていました。ですので、さらに余計な時間がかかることになり、1日分をこなすのに3~4日かかりました。

二巡目からはトレーニングです。二巡目も、リスニング問題実践練習のパートに関しては1度聞いたのではさっぱり聞き取れないので、何度も聞き直すことになりした。ですので、2日かけていました。

三巡目になってやっと、1日分を1日で終えることができました。ですので、1冊仕上げるのに、6か月ぐらいかかったことになります。

試験本番直前期は『HSK公式過去問題集』シリーズ

試験本番2か月前の直前期は、リスニングだけでなく、読解と作文の試験形式にも慣れておくために、『HSK公式過去問題集』シリーズを使いました。過去問5回分が収録されていますので、1回分ずつ週末にこなしていきました。

『HSK公式過去問題集』

これで読解は問題ないという感触が得られたので置いておいて、リスニングで間違った問題や当てずっぽで答えて当てたような問題を繰り返し解きました。

5級の作文は 80 文字程度の長さの文章を書かされるので、短すぎず長すぎない作文能力がひつようなので、それなりに練習しておく必要があります。この対策のために、試験時間の感覚をつかむために過去問も解きましたが、教室で出される作文の宿題を添削してもらうことで対応しました。

自分では杜甫か李白かと思っても、教室の先生にズバリ「これは日本語直訳ですね」と指摘されて、ズタボロに添削されて返ってくるということを繰り返しました。結局、試験本番直前までその状態は変わりありませんでした。ですので、点数も7割ちょっとで一応目安となる 6 割は超えましたが、大したことはありません。しかし、「教室の先生の添削を受けていなければ」と思うと、背筋が寒くなります。

アウトプット強化が課題

試験結果が分かり、改めてアウトプット強化が課題と実感する今日この頃です。英語のTOEICを受験していた時もそうでしたが、結局、知っている単語で構成されているには違いないが、初めて出くわす文章をスラスラ音読やシャドーイングができなければ、リスニングもできないのです。

今の私の中国語実力はTOEICで 700 点超えたところでリスニングの壁に突き当たった頃と近いと思います。恐らく、言語運用能力の尺度としては、HSK 5級の7~8割の点数というのが、TOEICの 700 点前半と同じ程度なのでしょう。

リスニングは瞬間芸ですので、脳の中に瞬間芸の配線を作らなければならないのです。まさにスポーツや楽器演奏と同じく、「習うより慣れよ」で練習あるのみです。今回の試験会場を見渡す限り、どう見ても最年長を争う感じでしたが、これからも頑張り続けます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました