Duolingo をご存じの方は多いと思います。では、Duolingo podcast はいかがでしょうか?Duolingo が提供するポッドキャストで Apple、Google、Spotify の3つのプラットフォームに対応しています。様々な話題について、音声だけでなくトランスクリプトも公開されているので、語彙力アップに最適です。
Duolingo を卒業したら、次は Duolingo podcast へ
「立ち上げ期に最適なDuolingo」の回で、Duolingo がゲーミフィケーション ”Gamification” と呼ばれる分野を開拓したことを紹介しました。ゲーム感覚ですぐに始められ、射幸心をくすぐって習慣化しやいので、語学を始めるハードルを下げました。スマートフォンが1台あれば、読む、聴く、話す、書くの4技能が総合的に鍛えられるところも非常に優れています。
Duolingo は会社として言語教育ラボを持っていて、日々コンテンツの改善に努めていて、習熟度を上げるために、復習をいつどれぐらいやればよいのか自分で考えなくても、アプリの方で最適化してくれます。その辺の仕組みについては「進化し続ける Duolingo の間隔反復学習法」の回をご一読ください。
とは言え、中級からさらに上を目指す段階になると、物足りなくなります。この段階になったら、 Duolingo podcast を活用することを考えてみてはいかがでしょうか。
フランス語、スペイン語、ポルトガル語の3コース
小見出しに3コースと書きましたが、厳密にいうと、以下の4つのコースが用意されています:
- 英語ナレーションで案内が入るフランス語コンテンツ
- 英語ナレーションで案内が入るスペイン語コンテンツ
- スペイン語ナレーションで案内が入る英語コンテンツ
- ブラジル・ポルトガル語ナレーションで案内が入る英語コンテンツ
Duolingo はアメリカ企業ということもあるのでしょう。南北アメリカ大陸で多くの人が話す言語に偏っています。仕方がないことです。スペイン語ナレーションやブラジル・ポルトガル語で案内が入る英語コンテンツを提供しているのは、アメリカという国自体、ヒスパニック系が最大のマイノリティーになったためでしょう。それだけ需要が高いことの表れです。
ちなみに、アメリカは先進国の中では唯一将来人口が増加する国です。その原動力がヒスパニック系です。この辺の事情は「4か国語に英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語を選んだ理由は人口&GDPカバー率の高さです」の回で少しだけ触れました。
英語と別言語が交互に切り替わり、頭の体操になる
Duolingo podcast が気に入っている理由の1つが、英語のナレーションと別言語のコンテンツが交互に切り替わる点です。
「バイリンガルは年老いても、とっさに判断できる」の回で紹介した論文によると、バイリンガルは “Flanker task” と紛らわしいひっかけ問題の正答率が高いのでした。そして、第2言語が流暢であればあるほど、年老いても認知力が衰えにくいのでした。バイリンガルがそうならば、マルチリンガルは輪をかけて年を取っても頭が冴えたままであることが期待できます。
Doulingo podcast でシャドーイング訓練をやると、まさに “Flanker task” を毎日課せられているの同じことで、繰り返して流暢になっていけば、語学が上達するし、認知力が鍛えられると考えています。
通勤の行き帰りでシャドーイングといっても、人前で声を出して練習するのは迷惑です。イヤホンを耳に着け、息を殺して囁けば、骨伝導で自分の声が聞き取れます。コロナ禍でちょうどマスクをしていますので、口の動きだけは大げさにやっても、周囲の人に変に思われる心配はありません。
最初から最後までトランスクリプトがある
全編、音声の最初から最後までトランスクリプトがあります。しかも無料です。ですので、スマートフォンが1台あれば、いつでもどこでも勉強ができて便利です。下の写真のように、Android スマートフォンの画面分割機能を使って、Google podcast とChrome上のトランスクリプトを両方1画面で表示させます。「英文記事を中国語に訳した翻訳記事は勉強になります」の回で紹介した方法です。
トランスクリプトは、コンテンツの中で使われている単語を調べて、語彙力をアップするには欠かせません。私の場合、リスニングで数秒以内に知らない単語が2つ以上立て続けに出てくると、文脈から類推できずに、思考停止してしまいます。ですので、ある一定レベル以上のリスニング力に到達するには、力技で語彙を増やすしかないと諦めて日々語彙を増やすことに力を注いでいます。
中級以上の語学はやはり語彙力
例えば、最近のブラジル・ポルトガル語ナレーションで案内が入る英語コンテンツで、”aileron” というブラジル・ポルトガル語の単語がありました。英語では “wing flap” のことです。航空機の翼の一部で、減速する時に使うものです。日本語でも「フラップ」と呼んで外来語になっています。
なかなか日常使わない単語なので、知らなくてもよいかもしれませんが、外国語を学ぶ時にこの単語は使う使わないを勝手に自分で決めてかからない方がよいです。そういう時に限って後になって、「やはり覚えておけばよかった」ということになるのが常だからです。
「こんな単語を知っている」ということを人に見せびらかす必要はありません。様々な話題を理解する上で守備範囲を広くするための手段として、やはり語彙力は必要だと考えます。
コメント