『4つ以上の言語を話す修道女の6%しか認知症を発症しなかった』の回で説明したように、修道女研究の結論として、4か国語以上の言語を話せる修道女は認知症になりにくいことが分かりました。これを受けて母国語を加えて5か国語を目標に語学に取り組み出したわけですが、では外国語として学ぶ4か国語としてどれを選べばよいでしょうか?
人口カバー率重視
外国語として学ぶ4か国語に英語、中国語、ポルトガル語、スペイン語を選んだ理由は、ズバリ人口&GDPカバー率が高いからです。2021年時点の人口統計で、中国が14億人で、現在の世界人口が77億人程度なので、世界人口の5分の1弱を占めます。これに英語(5億人)、スペイン語(中南米中心に4億人)、ポルトガル語(ほぼブラジルで2億人)、日本語(日本だけで1億人)の話者数を加えると、世界の3分の1強の人たちとお話できるようになるはずです。
将来性という面では、米国は先進国の中で唯一人口が増え続ける推測がされていて、ヒスパニック系の人たちで、つまり中南米のスペイン語圏からの移民です。米国内でもスペイン語人口が増え続けているわけです。メキシコはその中南米の国であり、人口推移の未来予測では人口が増え続けていく予想になっています。南北アメリカ大陸は人口ボーナスを得て、経済発展を続ける可能性が高いと思います。
この記事を読んでスペイン語を勉強したいと思った方は、「東京外国語大学言語モジュールは入門として最適」、「立ち上げ期に最適なDuolingo」、「スペイン語の勉強を習慣にしてくれるSpanishDict」の回にお立ち寄りになって参考にしてください。
一方、中国とブラジルは2030年台に人口のピークが来て、緩やかに減少していきます。この辺調べたものを下に貼っておきます。2ページ目のグラフをご覧ください。
Tetsu Sunさんによる米国他にも話者数が多い言語として、インドのヒンディー語の他、アラビア語もありますが、ヒンディー語は別の言語かと思うほどの方言も多いと聞きます。アラビア語は文字が独特でなかなか厳しいことが予想されることと、あとで触れますが、タイムゾーンごとの経済圏を作れるまでに至らないのではないかと思っています。
GDPカバー率重視
南北アメリカ大陸は南北に連なって、タイムゾーンとしては同じです。でも、生活水準も違うということで、何かニーズがあれば、リアルタイムで労働単価は安く方が高い方にサービスすることができます。季節が違うのも、パッとは思いつきませんが、リアルタイムでサービスするのに何か役に立つかもしれません。
ということで、何か違いがあって、ネットが普及していれば、リアルタイムでサービスができるタイムゾーンごとに経済圏ができると言われています。南北アメリカ大陸経済圏で使われる英語、スペイン語そしてブラジル・ポルトガル語辺りが重要になってくると考えました。私は半日ずれたタイムゾーンの日本にいるので、習得したからといって何か得することもないかもしれませんが。
同じように、ヨーロッパとアフリカとが同じタイムゾーンで経済圏を作ることは十分に考えられます。そこで使われる言語は英語もしくはフランス語になるのでしょう。ただ、人口増加が続くケニアや南アフリカなど勢いがある国は英語圏なので、主には英語の方が使わるでしょう。
中国が作るタイムゾーン経済圏には、東南アジア諸国が入ってくるかもしれません。シンガポールやマレーシアでは学校教育で英語と中国語を両方教えています。カンボジアとラオスは昔から親中です。歴史的に中国とは因縁があるベトナム人も、国を離れて日本に留学してくると、実はダブルスクールで中国語学校にも通っているということを知りました。
日本は地理的にそこに位置するので、将来どうなるのでしょうね。とりあえずは中国語は学んでおいても損はないと考えました。オーストラリアとニュージーランドと英語のタイムゾーン経済圏というのも悪くはないと思いますが、似たり寄ったりの先進国同士であまり違いがないので、 タイムゾーン経済圏 という意味ではオンライン英語教室ぐらいしか思いつきません。
考えても仕方がないので、この辺りで留めておきます。
未来の人口/GDP推移をみて言語のポートフォリオを決めました
今回は、未来の人口/GDP推移をみて言語のポートフォリオを考えたことを紹介しました。最近、書店にビジネス書で2030年や2040年の予測本が数多く並んでいます。 その中で自動翻訳機が当然出てきますが、やはり人と人とが何も介さずに直接リアルタイムに会話できる方がいいですよね。
耳が遠くなり出すと、ボケ始めるなどということも言われています。それだけ会話というのは脳を老けさせないために重要なことなのだと思います。ですので、外国語を勉強する場合も、音声中心に勉強していきたいと思っています。
続編として、今後勉強しておくとよいかもしれない言語を「習得する言語を深めるか、それとも増やすか」の回で考察しましたので、こちらも参考にしてみてください。
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