血液型で認知症発症の度合に差

BloodType 科学技術

血液型で認知症発症の度合に差があるそうです。血液型性格判断は根拠に乏しいとされています。一方で、特定の病気に罹りやすいかどうかにはある程度関係があるようです。そのことを多くの人が知って、「自分は〇〇体質だから、△△はいいが、××はよくない」と自己暗示をかけると、行動に反映してくるような気もします。

血液型が認知症発症の度合に関係する

2014年に Neurology に掲載されたによると、AB 型の血液を持つ人は、他の血液型の人に比べて、1.82 倍も認知症になりやすいそうです(論文1)。AB 型は他の血液型に比べて、血液を凝固しやすくする因子になるタンパク質(ファクタVIII)が若干多いそうです。

また、2022年に同じ Neurology に血液型によって脳卒中になりやすさが違うことを示す論文が掲載されました(論文2)。その傾向は 60 歳未満の若年層で顕著に表れて、典型的な O 型 (O1 型)では他の血液型に比べて 0.88 倍のリスクなのに対して、典型的な A 型(A1 型)では 1.16 倍でした。60 歳以降ではその差は大分縮まって、0.96 倍 vs 1.05 倍です。

O 型は他の血液型に比べて若干血液が凝固しにくいのです。物事には良い面と悪い面の両面があります。

血が固まりにくいのは毛細血管が詰まりにくいということです。つまりサラサラ血液なのです。それが分かると、認知症や脳卒中の他にも、血管が詰まって起こるいろいろな循環器系の病気に対しても強いことが分かります。これが良い面です。例えば、O 型の人に対して他の血液型の人は、 1.25 倍も心筋梗塞に罹りやすいのです(論文3)。

では、悪い面はどうでしょう。大怪我をした時は、とにかく早く止血できた方が生き残りやすいはずです。O 型の人は残念ながら、事故で外傷を被った時の致死率が他の血液型に比べて 1.48 倍高いのです(論文4)。

最も生存率が高いのは、言うまでもなく AB 型です。AB 型は血が固まりやすいので、脳血管が詰まりやすく、そのために認知症に罹りやすいですが、怪我には強いのです。

論文4の外傷を被った時の致死率を見る限り、血栓が原因で罹る病気のなりやすさについても、A 型と B 型は O 型と AB 型の中間ぐらいと考えればよいでしょう(O 型 22.2%;A 型 14.0%;B 型 14.5%;AB 型 5.0%)。

生活習慣改善で血液サラサラを目指す

認知症始めとして高血圧症や高血糖症などの生活習慣病は、血管の詰まり具合や血液のサラサラ具合に結構左右されると言っていいでしょう。ならば、O 型の血液型の人は生まれながらにして、若干ではありますが、有利な立ち位置にいます。あとは、怪我に気をつけていれば、健康寿命を長くできそうです。

現に、40歳から70歳までの50,045人を被験者を対象にした 2015年の BMC Medicine に掲載された論文では、O 型以外の血液型の人は、O 型の人に比べて総死亡率が 1.09 倍高く、心血管疾患に限れば、1.15倍高いという結果でした(論文5)。

とは言え、その差は微々たるものと見ることもできます。血液サラサラにすべく、食生活に気を使い日頃から運動を続ければ、O 型以外の血液型の人でも十分に O 型の人に追い付き追い越すことができるように思えます。

現に、2006年の厚生労働科学研究費の事業報告書「健康長寿に関与する要因の研究-超百寿者及び長寿sib調査」によれば、日本人の場合は B 型が長寿という結論になっています。B 型特有の糖鎖が関係している可能性を挙げています。

しかし、スポーツ庁 Web 広報マガジンによると、日本人は世界一長い時間座っていますので、世界のどの国の国民よりも、エコノミークラス症候群のような血栓症のリスクに晒されています。血が固まりやすいかどうかが寿命の長短を大きく左右しているのであれば、腑に落ちない点です。

世界一座りっぱなしで運動せず、世界でも有数の睡眠負債を抱えている国民である日本人が長寿である秘訣は一体何なのでしょう。二大生活習慣の運動と睡眠が消えたら、あとは食事ぐらいしか残りません。ということは、和食を中心とした食生活によるものかもしれません。

生活習慣改善で行いが変わる=見た目の性格が変わる

食生活を整えて血液サラサラにするため、私が取り組んでいることを「圧力釜を使って骨まで煮魚をいただきましょう」の回などで紹介しています。また、「立って仕事をし始めました」の回では、できるだけ座らないことに決めた経緯を紹介しています。「ボケないための睡眠」の回では、睡眠負債の返済の仕方に触れていますので、ご興味があればお立ち寄りください。

ここ最近、自分の生活習慣にいろいろ手を入れて大改革中です。傍から見ると、おそらく「あの人、人が変わったみたいね」と言われているだろうと思います。つまり、第三者の外から見た性格が変わったという見方ができると思います。

血液型性格判断は根拠に乏しいですが、認知症になりたくない一心で、「自分の血液型は血栓ができやすい方だから、納豆、タマネギ、魚はいいが、脂ギトギトの肉はよくない」というように、食生活に気を使っていると、「自分をよく知っているのは自分で、自分のためには自ら動かなければ」という風に、自然と行動が変わってきているのを自分でも感じています。「自己成就現象」という奴ですかね。

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