「16時間断食ダイエットで嫁のいびきが消えました」の回で「海藻の納豆和え」として紹介した朝食メニューをパワーアップしてみました。今回ご紹介するのは、その名もズバリ「海藻キムチ納豆」です。「世界五大栄養食品」にしっかり選ばれている納豆(大豆)とキムチの両方が摂れ、しかも水溶性食物繊維をたくさん含む海藻を一緒にした腸活スペシャルメニューです。
日本人だけが消化できる海藻
フランスの研究グループが科学雑誌 “Nature” に載せた論文によると、日本人はお腹の中に海藻を消化できる菌を持とのことです。Bacteroides plebeius という菌株の中でさらに海藻のセルロースを分解できる酵素を作る遺伝子変異を持つ菌だそうです。
他の国の人のお腹の中からはまだ見つかっていないのです。そう言われてみれば、昔ながらの日本の食卓では、朝食に付きものの海苔、味噌汁のダシに昆布を使って具にはワカメ、ヒジキの煮物を添えて、焼き魚に納豆…という家庭も多かったのではないでしょうか。
ところが西洋文化の影響で洋食が広がり、朝食はトースト、昼食はカレーライス、夕食はステーキという生活が普通になったZ世代以降のお腹の中ではその海藻を消化できる菌が息も絶え絶え、もしかしたら残念ながら死に絶えているかもしれません。
一方、昔ながらの日本の食卓で育った世代のお腹の中では、まだ海藻を消化できる菌がご存命かもしれません。そうであれば、そのアドバンテージを活かさない手はないでしょう。
植物性乳酸菌リッチなキムチ
「ヨーグルトあれこれ」の回で豆乳ヨーグルトを紹介しました。豆乳ヨーグルトがよい点は植物性乳酸菌を豊富に含むことでした。
キムチの乳酸菌も植物性乳酸菌です。塩やトウガラシに殺菌力が強いニンニク、自分で出した乳酸にも負けず、さらに苦労しないと分解できないセルロースいっぱいの白菜をエサにせざるをえない環境で育つのです。雑草のような存在です。胃の中でも胃酸に負けず生き残って腸に届く可能性に秘めています。
この点が牛乳ヨーグルトの乳酸菌とは違います。牛乳ヨーグルトの乳酸菌は、みんな大好き、栄養豊富な牛乳の中という恵まれた環境で育っています。鉢植えの観葉植物のようなものです。ちょっと家族旅行で1週間ぐらい留守にしていると、たちまち見る影もなく朽ち果てるようなイメージでしょうか。
どうです、なるほどキムチが「世界五大栄養食品」に選ばれるだけのことはあると思いませんか?
やたら強い納豆菌の納豆
納豆は納豆菌によって大豆のタンパク質を分解してアミノ酸にして、消化しやすくしかもおいしい旨味に変えた発酵食品です。
大豆のアミノ酸スコア(ヒトが体内で合成できない必須アミノ酸の含有率をスコアにしたもの)は卵や肉などの動物性タンパク質のアミノ酸スコアに匹敵する最高の 100 点だそうです。仏門に入って殺生を禁じられたお坊さんが体調悪くなって死んでしまうということがなかったのも道理です。
その納豆をおいしくしてくれるのが納豆菌です。納豆菌はやたら強い菌で胃酸も何のそので生き延びて腸に届き、善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌にエサを提供する役割をするそうです。100℃に沸騰したお湯の中でも生き長らえるらしいので、他の食材と一緒にレンチンしても大丈夫ですね。
海藻キムチ納豆の簡単レシピ
先ずダシの具として、干しシイタケ、煮干し、そして昆布をそれぞれ細かく砕いたり切ったりして器に入れます。そして、煮干しの骨もしっかり摂れるようにお酢を少々入れます。お酢を振りかけることでしっかりダシの旨味を引き出して、しかも納豆臭さも和らげてくれます。
次に私の場合、海藻類として、アオサ、ヒジキ、とろろ昆布、ワカメ、刻み海苔を入れます。海藻は水溶性食物繊維が豊富だけでなく、必須ミネラルも豊富に含みます。例えば、全般的にカリウム、カルシウム、ヨウ素が豊富です。他に、アオサと昆布はマグネシウムを多く含みます。ヒジキは鉄です。海苔は亜鉛、銅とミネラルではなくビタミンですが、ビタミン12を多く含みます。植物では珍しく、ビタミン12摂るには大抵は肉魚なのですが、海苔にも結構たくさん含まれています。
海藻類を器に追加した後、水に浸します。私の場合は、夜に準備して海藻を水に浸して、翌朝まで水で戻します。
翌朝、十分に水に戻ったところでレンチンします。そしてキムチを乗せます。
最後に納豆を乗せて完成です。
いただく時に海藻、キムチと納豆をかき混ぜます。お好みで醤油や塩で味は調節します。
私の場合は、ヒマラヤからのピング岩塩を少々かけて味を調整します。食塩はズバリ塩化ナトリウムだけですが、マグネシウムなど海水に含まれる他のミネラル、つまり、にがり成分も摂れるのでよいと思っています。
自分で書いていて、よだれが出てきました。いただきます。
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