腸活スペシャルーチェダーチーズの巻

科学技術
Image by loseitlady from Pixabay

今回は腸活スペシャルとしてチーズをお届けします。チーズが体に対してよいのかどうなのか、未だに賛否両論あります。それらいろいな情報が飛び交う中で、私は今、チェダーチーズを試しています。なぜチェダーチーズなのかちょっと語りたいと思います。なお、今回は特にレシピの紹介はありません。

チーズ積極派の意見あれこれ

チーズが体によいとすると、どのような点でしょうか。ザっと挙げてみると以下です:

  • 発酵食品なので、腸活に持って来い
  • アミノ酸スコアが高く、必須アミノ酸を効率的に摂れる
  • ラクトトリペプチド(lactotripeptides)を含み、血圧を下げる効果がある
  • 同じくラクトトリペプチドにより脳を活性化できる

ただし上で挙げたメリットは、アミノ酸スコアが高い以外は、すべてナチュラルチーズ、分けてもブルーチーズとチェダーチーズに限られます。

チーズ自体は発酵食品ですが、プロセスチーズは乳酸菌もろとも加熱殺菌するので、生きた乳酸菌を腸に届けるということは期待できません。一方、ナチュラルチーズは加熱殺菌処理していません。ですので、胃酸に負けずに実際にどれぐらいの乳酸菌が腸にたどり着くのか分かりませんが、腸活にプラスにはたらく可能性は期待できます。

ブルーチーズとチェダーチーズにはラクトトリペプチドと呼ばれる成分が含まれます。ラクトトリペプチドは血圧を下げる効果があるそうです。塩分が多いブルーチーズでも塩分による血圧上昇を抑えて、むしろ血圧を下げるのだそうです。カルピスの研究グループが見つけて2つの論文(論文1論文2)を公開しています。アンジオテンシン変換酵素(ACE)という酵素が血圧を上げようとするところを邪魔します。

さらには、血管をしなやかにして若返らせる効果があるそうです。血管内皮細胞から一酸化窒素(NO)が分泌するのを促し、このはたらきによって、血管壁が柔らかくなることが知られています(参考文献)。

リンクの参考文献は心臓の血管に関する論文ですが、一方で脳血管の血流もよくなることが別の論文で明らかになりました。筑波大学の研究グループが発表しています。同じ血管なのだから、心臓だけでなく脳もというのは当たり前と言えば当たり前ですね。この発表の元になる論文も紹介しておきます。

チーズ消極派の意見あれこれ

チーズ肯定派の意見に対して、チーズ消極派の意見はこうです:

  • 塩分が多く、食べ過ぎると高血圧になる
  • 飽和脂肪酸が多いので、血管を詰まらせる
  • 乳製品なので、乳糖不耐症の人はお腹がゴロゴロする
  • MIND食ではチーズは週1回以下に控えるように説いている

チーズは確かに塩分が多いので、食べ過ぎには注意しないといけないでしょう。しかし、チーズ肯定派の意見の中で紹介したように、ラクトトリペプチドを含むブルーチーズやチェダーチーズであれば、少量食べる分には逆に血圧を下げる効果を期待できます。

飽和脂肪酸が多いので、血管を詰まらせるかもしれません。確かにたくさん食べればそうなりそうに思えます。これに対しては、糖質制限と組み合わせて、エネルギー源を炭水化物中心から脂質中心に変えることで日常生活の中で消費してしまえばよいと思います。江戸っ子の気風よろしく「宵越しの脂肪は持たない」ようにすればよいのです。

乳糖の影響はどうでしょうか。チーズは乳製品ですが、製造過程で乳酸菌が乳糖を分解したり、乳清とともにほとんど取り除かれるので、牛乳ヨーグルトよりもさらに乳糖が少ないのです。乳糖不耐性の人も安心できるのではないでしょうか。

地中海式ダイエットとDASH食と呼ばれる高血圧改善ダイエットを組み合わせたものがMIND食です。そこではチーズは週1回以下に控えるように説いています。しかし、西洋人に比べれば日本人のチーズの消費量は圧倒的に少ないので、今まで日常的に食べていなければ、ちょっと食べる分にはむしろチーズ肯定派の意見にあるメリットを享受できるのではないでしょうか。

私はチェダーチーズを毎日食べています

ということで、MIND食では消極的にもかかわらず、私は毎日チェダーチーズを食べています。ブルーチーズは独特の香りがとっつきにくく、塩っ辛い上に値段も高いのでやめておき、臭みがなく、塩分もそれなりで、安く手に入るチェダーチーズを選びました。

熟成していて若干固くなっているチェダーチーズの塊を買って来て、毎朝スライスしてちょっとずつ食べています。「やる気スイッチが入る糖質制限」の回で紹介したように、糖質制限しているので、チーズの脂肪分も1日のエネルギー源として使っています。

余談ですが、仕事の関係でブラジルによく出張していた時、地球の裏側なのでそうそう頻繁に日本に帰って来れず長く滞在していると、ピザにシュラスコ(肉の中によくチーズを注入している)という生活が慣れっこになってしまい、たちまちお腹が出っ張って来て、ベルトを止める穴が足りなくなりそうでした。しかし、あの時同時に糖質制限していれば、違っていたかもしれません。

チェダーチーズを食べることで頭の働きがよくなったどうかは分かりませんが、少なくとも今のところ、頭の働きに悪さはしていない…と思います。

コメント

タイトルとURLをコピーしました