禁酒して日頃から食生活も気をつけていますが、なぜか γGPT が基準値上限をやや上回っています。そう話すと、みなさん不思議がります。誰も分からないので、ならばと、単純思考で肝臓を改善するにはレバーを食べればよいのではないと思い、早速始めました。1年後の健康診断結果に期待です。
肉より魚
「肉」と聞くと、真っ先に頭に浮かぶのはステーキや焼き肉でしょう。これらに使われているのは筋肉です。かつては私も霜降り肉によだれがこぼれていました。その頃、血圧が 150mmHg を超えていて、さすがにこれはまずいと思っていました。しかし、健康に対する知識不足でどうすればよいか分からず悶々としていました。
昔は肉を見るとよだれを出していました。ステーキ、焼肉、牛丼…。何でも好きでした。飽きもせず、3大牛丼チェーンの吉野家、すき家、松屋を毎日回っていました。しかし、そんな生活をしていると、30代半ばになると、体に不調が端的に現れます。私の場合は血圧に出ました。最高血圧が 150mmHg に達しました。
その頃ちょうど、肉に含まれる不飽和脂肪酸が体に悪いことが常識になってきました。高血圧、高脂血症、ひいては血管を詰まらせて、脳卒中や心筋梗塞になりやすいと知ると、どうにかしなければと思いが募り、いろいろ自分なりに調べました。
その時は、魚がよいというので試してみたところ、効果てきめんでした。血圧も血中脂質もドンドン下がって、今では全く問題ない正常値です。肉も魚も脂が乗っているほどおいしいですが、魚がよいところは、肉と違って脂が乗っているほど健康によい点です。魚に含まれるオメガ3脂肪酸は細胞壁や脳の電気信号が混信しないように絶縁油として大活躍しているので、認知症予防にもうってつけです。
圧力釜を使って骨まで食べられる煮魚にすれば、カルシウムやコラーゲンもたっぷり摂れて、健康効果がさらに高くなります。興味がある方は、「圧力釜を使って骨まで煮魚をいただきましょう」の回も覗いてみてください。
今では、肉を見てもどうとも思わなくなり、かたや魚を見るとよだれが垂れるようになりました。
とは言え、肉も脂身さえ避ければよさそう
話が魚の話に逸れたので、肉の話に戻します。とは言え、肉も脂身さえ避ければ、ひと先ずよさそうです。何かよい手はないかと思い、いろいろ試しました。
先ずヒレ肉です。ヒレ肉は脂身がないので、ヘルシーには違いありません。しかし、ヒレ肉は値段が高く、たとえ肉のハナマサなどで業務用サイズをまとめ買いしても、ヒレ肉ばかりを食べていると、お財布が持ちません。たまの楽しみにとどめることにしました。
次に、巷で健康によいと言われているグラスフェッド牛(英 grass-fed beef)を試しました。このブログで何度も紹介している書籍『アルツハイマー病 真実と終焉 / The End of Alzheimer’s』でも推奨されています。英語で読んで字の如く、牧草だけで育った肉牛の肉です。スーパーで国産牛のものは見たことがありません。オーストラリア産やパラグアイ産の輸入牛を少量置いている店ならあります。運動控えめで穀物ばかり食べさせられている肉牛は、人間と同じく不飽和脂肪酸まみれのメタボなのに対して、牧草牛の脂身にはオメガ3脂肪酸が含まれるので、確かに体によさそうです。
しかし、如何せんかなり噛み応えがあります。脂身がほとんどなく真っ赤なステーキ肉を買って来て、子どもたちに振舞いましたが、硬すぎたようで、以降見向きもしなくなりました。ステーキはイマイチでしたが、モモや肩ブロックを圧力釜で煮込んでビーフシチューにすると、柔らかくなって割とおいしく食べられます。
値段はそれなりに高いです。放牧する関係でしょう。広い土地が必要でしょうし、牛舎に鮨詰めでよいわけでもないので、管理コストがばかにならないのでしょう。最近は円安に振れてきていますし、今のところ輸入ものしかないので、今後も値段は高くなっていくことでしょう。ということで、時々嗜む程度です。
みんな大好き「肉」より安いレバー
みなさんが大好きなサーロインなどのいわゆる「肉」は、ご存じのように筋肉です。部位によって希少価値が出て来ます。なので、1頭の肉牛からちょっとしか取れないサーロインやヒレは高いわけです。
ちなみに、ブラジル料理のシュハスコ(葡 churrasco)では、picanha と呼ばれる部位の人気が高いです。お尻の肉です。その他、cupim と呼ばれる背中のこぶの部分が脂が乗って珍重されます。シロアリを意味します。背中のこぶがアリ塚のようだからです。
これらのバーベキュー肉を頬張りながら、caipirinha と呼ばれるカクテルを飲んで、胃に流し込むのがサンパウロ辺りの食べ方です。caipirinha はcachaça というサトウキビを原料にした蒸留酒で度数が高いです。これに砂糖をたくさん入れて飲みます。ブラジルではヒトも車も砂糖が原動力になっているといってもよいでしょう。自動車の方はアルコール車なので、環境によいですが、今にして思えば、この食べ方・飲み方はヒトの健康にとっては最悪ですね。
脂を避けて、安い部位というと、残るのは、ホルモン焼きやもつ煮で使われる内臓や胃腸です。みんな筋肉が大好きで、内臓や胃腸などの臓器は味や風味が悪く要らないから、大阪弁で「放るもん」だから、ホルモンというのは俗説らしいです。しかし、そのような扱いだから安いのです。胃腸はメタボ飼育された肉牛の場合、内臓脂肪がたっぷりついて、食べるとおいしいですが、体には悪いでしょう。
残るは内臓です。心臓=ハツはおいしいですが、筋肉です。最も栄養価が高いのはどの部位でしょう。そうです。やっと結論に辿り着きました。レバーです。レバーのビタミンとミネラルの量はピカイチです。
例えば牛レバー 100g で、ビタミンA は1日の所要量の50倍程度、ビタミンB12 に至っては、60倍以上です。鉄分も豊富で、1日の所要量以上です。「カロリーSlim」というサイトで検索してグラフを見ると分かりますが、1日の所要量に対するビタミンとミネラルの含有量が軒並み振り切れています。
しかも脂質だけでなく糖質も少ないので、低カロリーです。これ以上すごいスーパーフードは世の中にないでしょう。卵でさえ、レバーには及びません。
如何せん、味と風味が独特なために市民権を得られていないのが現状です。だから、安いのですが…。ここは、手間をかけて何とかしましょう。牛乳に浸しておくと、あの独特の臭みがなくなるという話はあります。しかし時間がかかってしまいます。
ですので、私は、ニンニクと生姜をすり下ろしたものにオリーブオイルと塩麹を加えて混ぜ合わせたものに数分間レバーを漬けた後、すぐにフライパンで焦げ目がつかない程度に両面を焼いて食べています。ニンニクと生姜の風味でレバー独特の臭みを感じなくて済みますし、ニンニクと生姜の血液をサラサラにする健康効果も得られます。
しかし、ここで注意が必要です。レバーを頻繁に食べると、ビタミンやミネラルの摂り過ぎで却ってよくない場合もあること、それからニンニクの摂り過ぎです。ニンニクについては、せっかくレバーを食べて肝臓を守ろうというのに、「健診結果を見ると、ニンニクは諸刃の剣です」の回で書いたように、ニンニクの摂り過ぎが逆に肝臓を傷めることになるからです。そこだけ注意しながら、この1年レバーを週一回程度食べることを習慣にして、肝機能を強化できるか試してみます。
コメント