日英中葡西で四則演算

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算数もしくは数学の表記は世界共通です。先人たちに感謝しなければなりません。でも、読み方は言語ごとに異なります。それでは、日本語と外国語として学んでいる英語、中国語、ブラジル・ポルトガル語、スペイン語の5つの言語それぞれで四則演算について見ていきましょう。

先ずは四則演算の記号の読み方

算数/数学の表現は、その言語の授業でも受けない限り、どう読むのかあまり接する機会はありません。基本中の基本の四則演算でさえそうではないでしょうか。先ずは「+」、「ー」、「×」、「÷」、「=」という記号を示す言い方です。下の表をご覧ください。

各国語の四則演算記号読み方

日本語と中国語は概ね表現が同じです。英語、スペイン語それからポルトガル語は「+」以外はほぼ同じ表現です。英語の “plus” だけが仲間外れです。ラテン語で”more” を意味する “plūs” から来ているようです。スペイン語とポルトガル語がそれぞれ “more” を意味する “más” と “mais” を使うのとは対照的です。

四則演算式の中での演算記号の読み方

次に、「+」、「ー」、「×」、「÷」、「=」という記号を使って四則演算式にした場合に、どのように読むのでしょうか。これを見ていきます。四則演算式の中で演算記号を下の表のように読みます。

各国語の四則演算式の中での記号の読み方

ほぼ記号を意味する “号” 、”sign”、”signo”、”sinal” がなくなった形になるのですが、インドーヨーロッパ語系は軒並み掛け算の読み方が様変わりします。英語とポルトガル語はそれぞれ「何回」や「何倍」を意味する “times” と “vezes” を使います。スペイン語だけはなぜか “by” を意味する “por” です。英語でも “two-by-four” というと、2 inch x 4 inch 角の木材を使ったツーバイフォー工法などでこの表現を使うので、これと同じ語源なのでしょう。

四則演算式の読み方

お待たせしました。いよいよ各国での四則演算式の読み方です。

(中) 二加一等于三。/ 二减一等于一。/ 二乘一等于二。/ 二除以一等于二。

(日) 2足す1は3。/ 2引く1は1。/ 2かける1は2。 / 2割る1は2。

(英) Two plus one equals three. / Two minus one equals one. / Two times one equals two. / Two divided by one equals two.

(葡) Dois mais um é igual a três. / Dois menos um é igual a um. / Dois vezes um é igual a dois. / Dois dividido por um é igual a dois.

(西) Dos más uno es igual a tres. / Dos menos uno es igual a uno. / Dos por uno es igual a dos. / Dos dividido por uno es igual a dos.

数式の読みが簡潔なほど数学リテラシーに有利なのか

日英中葡西で五者五様の曜日表現」の回で中国語の年月日・曜日表現が一番算数・数学と相性がよいため、PISA 数学的リテラシーの国別ランニングで中国語圏が強いのではないかという仮説を披露しました。

数式の読みが長いと若干嫌気が差すと思います。数学を難しく感じる人も多くなるのではないでしょうか。そういう目で 2020 年の PISA 数学的リテラシーの国別ランニングを見ると、驚いてしまいました。何と以下のような順位になっています。経済格差が少ない国同士の比較をするために、先進国+中国の中の比較としました。見事に四則演算式の読み方が短い順に並んでいます:

1位 中国(2位 シンガポール、3位 マカオ、4位 香港、5位 台湾)

6位 日本

18位 イギリス

28位 ポルトガル

34位 スペイン

ちなみに米国は37位です。米国は移民の国として世界の縮図になっているところがあるため、意外と順位が高くないのかもしれません。

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