日中縁起担ぎの語呂合わせ

YinYang 習慣

日本人も中国人も縁起担ぎの語呂合わせが好きです。日本ではおせち料理が代表的で、中国では春節に食べる餃子がそうです。日中の語呂合わせを見ていきつつ、餃子の日中間の違い、そして日本の餃子について見ていきたいと思います。

日本の縁起担ぎの語呂合わせーお節編

日本の縁起担ぎの語呂合わせと言えば、先ずは有名なおせち料理を見ていきましょう。

表1:おせち料理の語呂合わせ

「まめに働けるように」と願をかけて黒豆を食べ、「幸多かれ」とたこに舌鼓を打ちます。幸福とは何かと尋ねたら、「お金です」ということで栗金団を食べます。そして裕福な生活が営めると、みんなが「喜ぶ」ので、昆布巻きを頬張ります。「めでたい、めでたい」と言って、鯛でしめるという感じでしょうか。

おせち料理には他にも語呂合わせというわけではありませんが、意味を持たせています。例えば、数の子はニシンの卵ですが、数が多いので、子だくさんを連想させて子孫繁栄の象徴です。海老は背中が丸いので、そうなるまで長生きできますようにという願いを込めて楽しむという具合です。

中国の縁起担ぎの語呂合わせ=吉利话

中国も負けず劣らずというか、歴史の長さから言って、むしろ元祖語呂合わせの国なのかもしれませんが、”吉利话 (jílì huà)” つまり縁起担ぎの言葉には語呂合わせが多いです。『耳が喜ぶ中国語』(斉霞 著)の載っている例を表にしたものが以下です。

表2:中国の縁起担ぎの語呂合わせ

とても味があります。春節では、”福” の文字を逆さにして壁に貼ります。「逆さにする」を意味する “倒 (dào)” と「やって来る」を意味する ”到 (dào)“ をかけています。お椀を割って “碎 (suì)” 、平安に歳 “岁 (suì)”を重ねていけるよう祈願します。蓮 “莲(lián)”の花と魚 “鱼(yú)”の鯉を描いた絵も壁に貼ります。その意味は、毎 “连(lián)” 年 の生活に余 “余(yú)” 裕ができますようにという願掛けです。以下はご自分で調べてみてください。

蓮の花

中国の餃子

餃子も “吉利话” の一つです。春節前に家庭で手作りをして、日本の年越しそばのように、春節前夜の “年夜饭 (nián yèfàn)” として食べます。”饺子 (jiǎo zi)” と “交子 (Jiāo zi)“ をかけています。“子” は子の刻です。つまり大晦日の23時から明けて元旦の1時までを意味して、年を越す “交 (Jiāo)“ わけです。

北京・天津といった北方は分厚い皮で、水餃子(水饺(shuĭ jiăo))か蒸餃子(蒸饺(zhēng jiăo))にして主食として食べます。広東などの南方は米食なので、粉物は比較的食べない方です。餃子は薄い皮のものもあり、日本に近い焼き餃子もあります。こちらは锅贴(guō tiē)と呼びます。

北京への出張の夜に餃子専門店で食べる水餃子と蒸餃子は皮が分厚いので、本当に食べ応えがありました。まさに主食です。中の具は付け足しです。ですので、日本の餃子定食のような餃子をおかずにしてご飯を食べる食べ方はありません。

京都「餃子の王将」 vs 大阪「大阪王将」

日本の餃子定食、特に関西で言えば、京都「餃子の王将」と大阪「大阪王将」の定番メニューの一つです。安くて旨いので、若い頃は何度となく足を運びました。私はどちらかと言えば、「餃子の王将」の味の方が好きでした。あまり肉が入っていないソフトな餡が一体何でできているのかよく分かりませんが、とにかく病みつきになる味です。

どちらも他の定番中華料理もメニューに並んでいるのですが、それは置いておいて、安くて旨い餃子定食を選ぶことが多かったです。東京ではあまり見かけないので、足が遠のきました。

「餃子の都」宇都宮市と浜松市

日本の餃子消費量を競い、「餃子の都」という称号をかけて熾烈な争いをしているのが、宇都宮市と浜松市です。宇都宮市の餃子はいろいろな味がありますし、餃子店が軒を並べて鈴なりになっている餃子通りがあります。どの店に入ればいいのか目移りしてしまいます。

「〇〇通り」というと、仙台市の牛タンも元祖と本家がすぐ近くに軒を並べる通りがありますし、札幌市のラーメン通りも有名です。客が並ぶ店は冬でも並んでいますし、きっとおいしいに違いないのですが、軟弱者の私はあの寒い中待つことができずに、すっと入れる店に行きました。案の定「そういうことね」という感じでした。

脇道に入ってしまいましたが、私が旅行で行った当時、宇都宮市の餃子通りにある餃子店が掲げていたメニューも面白かったです。例えば、カレー味の餃子がありましたし、「普通は餃子の具にしないでしょう」という餃子の数々がありました。

浜松市にも仕事で行ったことがあり、その時は駅前の餃子店で餃子を一皿注文して食べました。丸いお皿に大輪の花の花びらのように並べるのが浜松式です。見た目で入って、ひと口かじると、皮がサクッとしていて、中にジューシーな肉の餡が入っており、非常においしくいただいたのを覚えています。

宇都宮の餃子も浜松の餃子もどちらも甲乙つけがたいおいしさですので、旅行や出張などの際に、是非立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

グルテンフリーで餃子を食べられなくなった

と語ってきましたが、実は今は餃子をほとんど食べなくなりました。なぜならば、グルテンフリー生活をしているからです。耐え難きを耐え、忍び難きを忍びではありませんが、嫁がかかえていた片頭痛の最大の原因が小麦に含まれるグルテンだったからです。このことがはっきりした今、家庭崩壊を防ぐにはグルテンフリーよりないのです。

うちでは、パンもたまに食べるのは米粉パンですし、カレー粉やシチュールーもグルテンフリーです。嫁だけでなく、私も多少首筋がジンジンしていたのがなくなったり、お腹の具合がすこぶるよくなるなど体調面の効果が大きいことに気づいたので、グルテンフリーを続けています。

残念ながら、もはや小麦文化の中国北方には行けない、もしくは行っても食べるものを探すのがたいへんそうです。”油条 (yóutiáo)” と呼ばれる油で揚げたパンや “馒头 (mántou)“ つまり餡がはいっていないお饅頭といった定番の主食はおいしかったです。ですが、今となってはサヨウナラです。

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