国際色あふれ、語学にも役立つ『和之夢』

中国語の勉強 語学

南京在住の日本人ドキュメンタリー監督の方が Youtube に自分が撮った作品を『和之夢』というチャンネルで流しています。テクノロジーから少数民族、中国在住外国人、外国在住中国人を取材していて、内容がとにかく楽しく、中国語や英語の字幕があり、中国語だけでなく、時に英語その他の勉強にもなるので、お奨めです。

監督=竹内亮とはどんな人?

この監督は竹内亮という方です。『和之夢』の中でも自己紹介しています。元々日本でドキュメンタリー監督としてキャリアをスタートした方です。その後、中国南京市出身の奥さんと一緒に2013年に中国に渡り、現在南京市を拠点にして、中国各地に取材に出かけて作品を撮っています。時々作品の中に奥さんやお嬢さんが出てきて、中国語で会話していたりしていて、作品の出来栄えとしても全体的にアットホームな感じです。

不思議なのが、外国人がそこまでできるのか、という場所(ファーウェイ本社や少数民族居住地)まで入っていっている点です。既に中国の永住権を持っていて、国内のジャーナリストの扱いのようです。

中国最先端技術ネタ

テクノロジーネタで代表的な作品群は『ファーウェイ100面相』です。この中の『ファーウェイで働く欧米人社員が内部から見るアメリカの制裁とは?』で、深圳にあるファーウェイ本社に勤める外国人を取材している作品があります。その中で従業員の何人かが立って仕事をしていることを『立って仕事をし始めました』の回で紹介しました。

話は逸れますが、本社はゆったりとした敷地の中に、西洋の王宮のような建物に列車が走る豪華な作りです。米国の貿易制裁で不安はないかと、外国人従業員にインタビューしていたり、創業期を知る現在のCEOに取材したりしています。ファーウェイのCEOは輪番制だそうです。『ファーウェイは誰が操っているのか?会社をコントロールするものは一体?』を見ると、創業者含め、株式の 100% を従業員全員が分け持っていて未公開株式会社です。ですので、株主の意向=従業員の意向です。

ファーウェイと言えば、5Gのイメージです。『「5GやAIは人の仕事を奪うのか?」世界トップを走るHUAWEIが導いた答えは?』では、この 5G 通信技術を絶滅寸前のシベリアトラの保護のために活用しています。ヒトが住まない未開の地に5G 通信網を構築して、遠隔監視用のカメラを張り巡らせてシベリアトラの生態を観察しています。

また、同じ BATH (Baidu, Alibaba, Tencent, Huawei) の一角を占めるアリババの話は AI です。『中国が“AI裁判官”を開発!アリババのAIは人間を超えるのか?』で、コロナ禍で大学キャンパス内に住む学生たちが食堂で食事を摂らなくなりました。宅配弁当を予約して寮に届けてもらっています。そのデリバリーサービスをアリババの自動運転ロボットがやっているのです。

他にも、被写体を自動追尾して撮影するロボットカメラマンが出てきます。竹内さんが「カメラマン要らなくなるんだ」という発言をして、クルーの一人、取材カメラマンをドキッとさせるシーンがあります。中国は14億人の人口がいますので、AI の実験場としては最適なところでしょう。

アマゾンの倉庫もそうですが、中国でもパレットの運搬は ロボットが担っていています。自分で充電してまた仕事に戻るなど、人手を患わせずに 24時間365日稼働しています。このような技術があって、双十一や光棍节と呼ばれる11月11日の独身の日だけで、日本国内の1年間の通販売上高を上回ると言われる物流量をこなせるのでしょう。

少数民族の作品には涙ウルウルの感動

中国貧困地区・大涼山』は、ペルーの有名な観光地のマチュピチュ遺跡のような切り立った山の頂上にある村が舞台です。そこの住民を暮らしやすい麓に移住させようと、政府が手厚く助成金を出して努力しているところを取材しています。

北京や上海といった都会しか知らないので、本当に今もこんなところが中国にあるのかとビックリしました。監督が山頂の村に取材に行くべく、切り立った山を登っていくのですが、途中リタイヤ。でも村の人たちはそこを1日2往復するのだそうです。

中国山岳地帯・一人で生きる女子高生』は泣けました。中国の少数民族は貧困に苦しんでいて、年がら年中両親とも都会に出稼ぎに行っています。そして残された子供たちは祖父母の元に預けられていたり、学齢期になると寮に入ったりしています。

そんな中、ある一人の女子高生は妹と二人暮らしで学校に通っています。彼女たちの両親は都会での出稼ぎで過労が祟ったのか相次いで亡くなり、姉妹だけが残されました。そんな彼女たちの家に取材に行きます。彼女の夢、そしてそれを実現させるために生活費を切り詰めて買ったもの…。結構ウルウルします。是非ご覧ください。

中国在住外国人、そして外国在住中国人

「私がここに住む理由」というシリーズがあり、その中の『二胡やこたつアジア好きなブラジル人デザイナーが中国に住む理由とは?』は、中国の杭州に住むブラジル人の物語です。何を思ったのか、ブラジル人デザイナーが 35 歳の時に突如会社を辞めて、一度も行ったこともない杭州のデザイナーの職に就くため移住します。なぜこたつなのか、奥さん(?)とのなれそめは?答えは作品をご覧ください。

英語を話していますし、日本のアニメがお好きなようで日本語もできるし、もちろん大半は中国語で受け答えしています。個人には、作品の中でポルトガル語も話してくれると嬉しかったのですが、エンディングでそれらしい歌を歌っているのがちょこっと映っている程度でした。

中国でもシュラスコをやっているようで、自宅の庭で取材陣に手作りシュラスコを振舞っていました。ブラジル出張の時に昼も夜もビュッフェスタイルのシュラスコでウンザリした記憶があります。しかし、こうやって久しぶりに見ると旨そうに見えます。肉から出る油煙がもの凄くて、日本の家庭だと近所迷惑になりますが…

その他、『意外過ぎる世界各国の春節!世界中の中国人は旧正月をどう過ごす?』は世界各地の春節をその土地に住む中国人の方に自分で取材してもらっています。タイにある中華街の春節はド派手です。中国国内では禁止になった爆竹ですが、それ以上に激しく火花が飛び散っています。世界中のどこでも中華料理の具はスーパーで売っています。それを買って来て自宅で中国のおせち料理である「年夜饭」を作るんですが、中国で買うよりずっと高いと嘆いています。

コロナはありますが、「地球村」には違いないです

このブログの『中国語の口語表現なら『汉语口语速成』シリーズ』の回で紹介した『提高篇』の「第18課 地球村」の最初で、アメリカ人が自転車修理工のところに立ち寄る場面があります。修理工が「真有意思!为什么中国人要到外国人要到外国去,外国人却到中国来呢?/本当に面白いですね。どうして中国人は外国に行きたがるのですかね?外国人の方から中国にやって来るというのにね」と彼に話しかけています。

夏休みに北海道へ旅行した時に、スペイン人の教師夫婦に出会いました。英語で「ぼくらは1か月の夏休みの予定で日本観光に来たんだ。でも、君たち日本人の夏休みはずっと短いんだって?」と言われました。この時、スペイン語勉強しようと思いました。

奈良に行けば行ったで、中国人観光客ばかりです。律令制時代の街並みと寺院が今も残るのが、皮肉にも外国である日本と言うことも、彼らの郷愁を誘うのだと思います。今はコロナ禍ですが、インバウンドでも中国語ができるとよいです。

まさに「地球村」の時代です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました