健診結果を見ると、ニンニクは諸刃の剣です

Glutathione 科学技術

ここ数年の健康診断結果を年を追って見ると、健康によいと思って始めても、何事も過ぎたるは猶及ばざるが如しです。ニンニクは γGTP に大きく関係するようです。摂り過ぎると、γGTP が上がるようです。

ニンニクは健康によい

ニンニクが健康によいという話はかなり有名です。それもあって 6,000 年も前から薬効がある食べ物として食べられてきました。特に免疫のはたらきを高めたり、体が錆びつく酸化を防いでくれる効果がよく知られています。

調べたところによると、ニンニクに含まれる硫黄化合物が体の中でグルタチオン(Glutathione)と呼ばれる抗酸化物質と反応して硫化水素を作ります。できた硫化水素はグルタチオンを増やすのに一役買っています。恩返しのようですね。グルタチオンは細胞内に発生する活性酸素などを中和してくれて、細胞の錆びつきを防ぐ大事な働きをしています(論文1)。

硫化水素というと、有毒ガスのイメージが強いです。火山を登りに行って、足を踏み外して窪みに落ちて、その中に溜まっていた硫化水素にやられて天に召される事故がたまにあります。しかし、微量であれば健康によい効果があるのです。グルタチオンを増やす以外にも、血管や筋肉をしなやかにしたりします。

話が逸れますが、同じような話で一酸化窒素もそうです。血管壁の細胞をしなやかにする作用があって、血管を若返らせてくれます。しかし、 NOX の一種として環境汚染物質扱いというのが世間一般の相場です。

何事も度が過ぎるとまずいということです。世の中すべてが右肩上がりなら万々歳という風にはできていないことがよく分かります。

ニンニクも度が過ぎると肝臓にとって負担になる

ニンニクもそうです。マウスを使った実験によると、1日に体重 1 kg あたり 0.5 g 以上のニンニクを摂取すると、肝臓に悪影響が出ることが分かりました。1日に体重 1 kg あたり 0.1-0.25 g の範囲が安全とのことです(論文2)。

量ってみました。大体ニンニクひとかけで 6 g です。ヒトとマウスは代謝が違うでしょうが、仮にヒトに換算すると、体重 60 kg の大の大人であれば、せいぜいひとかけぐらいに止めておくのが無難でしょう。

思い起こせば、コロナ禍が始まった2年前に、野菜をたくさん食べないと、ということで電子レンジで温野菜に食べ始めた時に、ニンニクひとかけをスライスにして入れて食べ始めました。オリゴ糖もたくさん含んでいるので、腸内のビフィズス菌にもいいだろうと思っていました。

ところが、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」を身をもって知りました。下図は毎年受けている健康診断の結果からγGTPの推移を取り出しました。コロナ禍が始まってから、文字通りお酒を一滴も飲んでいないので、お酒が原因ではありません。タバコも吸いませんので、それも原因ではありません。

各年のγGTP推移

2018年まで基準値に収まっていたのが、急に100を超えました。今のところ、健康診断で気になる結果はこれだけです。そこで、先に紹介しました論文2を見つけて、ニンニクをひとかけの半分にして、今年に入ってからは4分の1にして控えめにしたところ、ある程度値が下がってきました。

他の硫黄を含む野菜の量も調整予定

まだγGTPの数値が高止まりしています。他の肝臓系の数値は正常値なので、肝臓にダメージを与えている以外の可能性も考えています。現在、抗酸化物質グルタチオンの量が多すぎるのかもしれないと考えています。

抗酸化物質として役目を果たしたグルタチオンを分解して再生する役割を担うのが、γGTPだからです。

ニンニクの時と同じように、硫黄を含む野菜(玉ねぎ、小松菜など)の量を少し減らしてみようと考えています。来年の健診結果まで自分の体で人体実験してみます。

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