中国の「おひとり様」市場が急拡大しているという記事が面白かったので、紹介します。日本や韓国を含む海外からの影響も受けつつ、食のあり方がだいぶ変わってきているようです。
中国の独居世帯は9200万
日本では、いわゆる「おひとり様」というと未婚者を指します。記事によると、2019年時点での未婚者数は2.6億人に達したそうです。しかし、その人たちが家族と一緒に暮らしている場合もあります。
一方、生まれ故郷から離れて暮らす人たち、すなわち流動人口は、3.76億人にもなるとのことです。だからと言って、この人たちの全てが独居世帯というわけでもありません。「国際色あふれ、語学にも役立つ『和之夢』」の回で紹介した少数民族の村のように、両親が共に村を離れて都会へ出稼ぎに行っている場合があります。
そのようないろいろな個人事情の結果、中国の独居世帯数は9200万に達するのです。日本の人口並みですね。
日本のような「おひとり様」ディナーはこれから
記事の中で日本のテレビドラマ「孤独のグルメ」が紹介されています。ちょうどこのドラマのような感じです。また、記事の別なところでは、日本の「おひとり様」向けの店で、板で仕切られてWiFiと充電器が使えるテーブルで食べるラーメン屋を紹介しています。
しかし、中国では、日本のような「おひとり様」外食産業はまだ大きくなく、中国語で「外卖」という出前をとって家で食べるか、インスタント麺「方便面」や冷凍食品「冷冻食品」をレンチンして食べるのが主流です。これらが物凄く成長分野になっているのです。
高級化・健康志向化する麺類
5分でできる日本のチャーシュー付き豚骨ラーメン「日式豚骨叉烧拉面」や20元なので、360円程度です。他にも中国式の牛肉麺も紹介されています。カップ麺というジャンクフード的なモノから明らかにランクが1つも2つも上がってきています。しかも、最近中国でも健康ブームで、麺類は油を使わないノンフライ麵だったり、低カロリーだったりです。
一方で、デートに使ったりするような、高級というか西洋風でオシャレな感じがあったマクドナルド、KFCやビザハットがコストパフォーマンスが高いメニューを打ち出してきて「おひとり様」市場に殴り込みをかけています。
このように、全体的にボリューム層の「おひとり様」に上下両方のセグメントから多数市場に参入してきています。
栄養にも気づかう
しかし、同じモノばかり食べていると、栄養が偏ります。そこに目をつけて、毎日食事に取り入れるとよいという栄養強化食品やら、週単位で1本ずつ熟していくようにパッケージ化されたバナナが売られていたりするそうです。この毎週は韓国のスーパーマーケットチェーンの考案だそうです。
このような感じで、独居世帯の「隠れ栄養失調」をまだ未開拓の市場と位置付けていろいろ手を変え品を変えて各社しのぎを削っています。
中国でも低糖質ダイエットが流行っていて、魚肉でできた麺やカリフラワーライスなど、先進国市場と何ら変わらない食品が手に入るようになっているようです。グルテンフリーのチアパスタもそうです。
そして挙句は、日本で累計販売食2,000万を突破した nosh と変わらないサービスも登場してきています。
健康番組では今日の献立は、と言っているが…
中国の健康番組を見ると、料理番組かと見まごうばかりに、一流調理人が登場してきておいしそうでしかも健康にもよい逸品を作っています。例えば、『健康之路』というCCTVが毎日放映している番組でよく、南北それぞれの出身の料理人が登場してきて、それぞれその回で取り上げた健康的食材を使った料理の腕前を披露しています。
しかし、そんな中華料理の文化も家庭料理としては廃れていくのかもしれません。ちょっぴり寂しいですね。
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