難しいポルトガル語学習用教材の完全デジタル化

コルドバの丘のキリスト像 語学
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人気外国語の場合、Kindle版テキストと音声ダウンロードがセットの教材が揃っているので、スマホ1台でいつでもどこでも隙間時間で学べます。しかしブラジル・ポルトガル語の場合は、デジタルコンテンツが少ないです。そこでGoogle翻訳の文字起こし機能で「自炊」しましょう。

新しいデジタル教材がなかなか出てこない

英語、中国語そしてスペイン語という相変わらず人気の外国語とは違い、ブラジル・ポルトガル語の学習熱は2014年のワールドカップと2016年のオリンピック以降めっきり冷めてしまった感があります。それを反映してか新しい教材もなかなか出てこないです。

人気外国語の場合、テキストはKindle版が続々登場してきていて、しかも音声ダウンロードもできるので、スマホ1台あれば、いつでもどこでも隙間時間を使って学べます。しかし、ブラジル・ポルトガル語の場合はそれがなかなか見つからないのが困ったところです。

そういう状況なので、完全デジタル化されてスマホ1台で学べる教材となると、『東京外国語大学言語モジュールは入門として最適』で紹介した東京外国語大学言語モジュールや『立ち上げ期に最適なDuolingo』で紹介した Duoligo ぐらいです。しかしある程度習熟してくると、少し物足りなくなります。そういった時にテキストと音声がどちらもデジタル化されたものが見当たらないのが、今のブラジル・ポルトガル語の現状です。

Google翻訳でスキャンしてデジタル化

Kindleストアで探すと、Kindle版のテキストを見つけることができます。しかし音声ダウンロードが付いていません。近くにネイティブ・スピーカーがいれば読んでもらってそれを録音する手も考えられます。しかしそのようなネイティブスピーカーは周囲にいません。

書籍には音声CDは付いています。このご時世わざわざCDリッピングしなければならないですが、背に腹は代えられず音声CDが付属された書籍を買うことになります。そうすると、テキストをデジタル化する必要が生じます。

「自炊」(スキャナでデジタル化)する手もなくはないです。でも、あまり無駄なものを取り揃えたくない性格のため、そもそもスキャナを持っていません。

そこで考えたのが、Google翻訳(レンズ)のカメラで撮影して文字に起こしてくれる機能を使う手です。本来カメラ入力された文章を機械翻訳することを目的にしていますが、その文字認識機能だけを使います。機械翻訳の方は対訳が必要であれば利用しても結構ですし、まだまだ自然な訳ではない機械翻訳が不要であれば使わなければよいでしょう。他にもいい手があると思いますが、テキストをデジタル化する方法のひとつとして紹介します。

実際にやってみましょう

では早速やってみましょう。手順は簡単です。わずか3ステップです。アルファベットが活字で書かれている書籍であれば、ほぼ間違いなく文字起こしできます。

  1. 書籍のテキストを開いて文字起こししたいページを開く
自炊テキスト
Google翻訳を使って「自炊」するテキスト

2. Google翻訳で正しく原文が文字起こしできたか確認してコピー

Google翻訳文字起こし後
Google翻訳文字起こし後

3. 文字起こししたテキストをEvernoteなどのノートブックにペースト

適当なノートブックに自炊後のテキストをペースト
適当なノートブックに自炊後のテキストをペースト

今回のGoogle翻訳(レンズ)による「自炊」には『耳が喜ぶブラジルポルトガル語』を使わせていただきました。断っておきますが、個人が勉強のためにデジタル化したコンテンツを使う分にはおとがめはありませんが、くれぐれもそれを誰かに共有したりしないようにしてください。

ちなみに 『耳が喜ぶブラジルポルトガル語』 に付属の音声CDはネイティブスピーカの方がネイティブスピードで読み上げていますので、リスニングの訓練用に最適だと思います。内容も2013年発行で比較的刊行後日が浅く、ソーシャルネットワークの話など割と新しい話題も取り上げています。またテキストの文章が何も修飾されておらず、対訳が行間に挟まったりしていないので「自炊」にも最適です。

スマホ画面のスクリーンショットからGoogle翻訳の文字起こし機能を使うこともできます。例えば、スマホ版のDuolingoで勉強していて、新出単語が出てきたときに、その単語の例文をコピペしたいところですが、残念ながらコピペできない仕様になっています。でも大丈夫です。スクリーンショット画像を撮っておいて、レッスンを終えた後にGoogle翻訳の「カメラ入力」→「インポート」から撮ったスクリーンショットをインポートできますので、「自炊」可能です。こちらも試してみてください。

「カメラ入力」を選択後、上の画像の「インポート」を選択してスクリーンショットを選ぶ

最近は、Googleでカメラ入力を選択すると、文字認識ツールとしてGoogleレンズが起動するようになりました。

Google Lensで文字認識させる場合

これでスマホ1台で完全デジタル化に成功です!めでたし、めでたし。

『耳が喜ぶブラジルポルトガル語』で思い出すブラジル

『耳が喜ぶブラジルポルトガル語』を開くと、ブラジル出張の記憶が懐かしく呼び起こされます。例えば、サンパウロのLiberdade地区にあるブラジル日本移民史料館です。例えば、STEP 3「4 Contribuição da imigração japonesa / 日本移民の貢献」で日本から持ち込んだ食材を紹介していますが、日本の野菜をブラジルに根付かせるために粉骨砕身した歴史を学ぶことができます。

ブラジル日本移民史料館

サンパウロ州は日系人ブラジル人が多く、和食レストランを探すのはわけがありません。本格的な家庭料理の肉じゃがやおでんも食べられます。スーパーに行けば、豆腐や醤油・味噌などの大豆食品が普通に売られています。

普通に肉じゃがやおでんが食べられる日本家庭料理の店

STEP 3「5 Carro movido a álcool / アルコール自動車」では、確かにガソリンとアルコールの混合燃料で走る自動車が高速道路を行き交っていた記憶が蘇ります。

このビートルはアルコールでは走らないと思いますが…

ワールドカップこそ見ていませんが、サンパウロ地元Corinthians Paulista / コリンチャンス・パウリスタの試合を観戦しましたので、STEP 3「11 Copa do Mundo no Brasil / ブラジルのW杯」に出てくるブラジル人のサッカー好きを肌身に感じました。なお余談ですが、スタジアムへ入場する際は、瓶や缶を持ち込めないように、厳重なボディーチェックを受ける必要があります。

Corinthians Paulistaの熱狂的応援団 “Gaviões da Fiel / 忠実なる鷹” の横断幕が見える

STEP 2「26 Pau Brasil / パウブラジル」では、ゴールドイエローに映える花が咲き誇っているので、「これこそがパウブラジルに違いない」と思って撮影した樹が、後で調べたところ、葉の形がまるで違うので、別の植物と分かってがっかりしたものです。

見事に咲き誇る黄金の花だが、パウブラジルとは別の種類

仕事でもプライベートでも結構ですので、旅で得た実体験と結びつけて語学に取り組むことができると、学習意欲を保ちやすいと思います。

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